団地日記

築50年越えの団地暮らし ✳︎✳︎✳︎のんびり老後の準備始めました✳︎✳︎✳︎ 

9月に読んだ本 「小説8050」

50代以上の高齢者のひきこもり、
高齢者になった子をさらに高齢の親が面倒を見る
「8050問題」の話かと思い、
去年、図書館で予約してやっと順番が回ってきました。


読んでみたら全然違う話でしたが、面白かったです。
さすが林真理子さん、
読みやすくて一気読みしました。


『ルンルンを買っておうちに帰ろう』の時から、
パワーを感じる作家さん。
読みさすさ、ストーリー展開が上手で
分厚い本でもサクサク読めます。
今回も話題になったリアルな時事ネタを織り込み、
行間で想像を掻き立てられます。
実際に起きた悲しい事件、そのニュースを聞いた時の衝撃が、
小説の中で蘇りました。


あらすじ
従順な妻と優秀な娘にめぐまれ、側から見れば
完璧な人生を送っているように見える歯科医の主人公。
だが、ひきこもって7年になる成人を過ぎた息子がおり、
このままでは就職も出来ず五十代になった子どもが、
八十代の親の年金を頼って生きていくことになるかも。
この先の未来には絶望しかない。
ならば今、家族は何ができるのだろうか・・・。
有名中学に合格し、医師を目指していた長男。
その心を蝕んだ過去に、父親は立ち向かう。



共感のポイントは
未来を不安に思い、不安だけを見つめるのではなく
「今できることは何か」を考え行動する主人公。
手遅れや失敗など、挫けそうな気持ちになっても、
がっかりした後、そこから次の策を考え行動する。
ダメな自分を受け入れつつ、
相手の行動も肯定しようとするところに共感。


私自身は50代の娘が80代の親の面倒を見るという、
いたってありふれた生活。
親からお小遣いをもらった記憶は
「二十歳になったらお年玉はなし」と言われたから、
その辺で終了したような。
大人になっても親からお小遣いもらえる人が
とても羨ましい。
かじれる脛はかじった方が良いと思っていたけど、
引きこもりで一度も働かず50代を迎え、
親が亡くなったらどうやって生きていくのだろう?
若年層の引きこもりのその先にあるもっと深刻な社会問題。


小説はハッピーエンドだったけど、
現実はそう簡単ではないですよね。

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