「推し燃ゆ」 宇佐美りん
現役の女子大生で芥川賞受賞と話題になり、
図書館で予約したら、やっと順番が来ました。
何をやってもうまく行かなくて、居場所のない女の子の話。
アイドルを「推す」ことが生きがいで、
アイドルを推すことで、自分自身を理解していく、
不器用な少女の生きる辛さを感じる作品でした。
今時の若い世代は共感する人が多いのかしら?
世代間ギャップ・・・なんでしょうね。
「推し」にのめり込むことが私には分からなくて。
でもなぜ「推す」のか、推す側の気持ちがわかったのは収穫。
『押しを取り込むことは自分を呼び覚ますことだ。諦めて手放した何かが、普段は生活のためにやりすごしている何か、押しつぶした何かを、押しが引きずり出す。だからこそ、推しを解釈して、推しをわかろうとした。その存在をたしかに感じることで、あたしはあたし自身の存在を感じようとした』
そう言うことだったのかと納得。
だからこそ、推しがいなくなることは
「あたしから背骨を、奪わないでくれ」と思うぐらい悲痛なんだなぁ。
私の背骨は何だろう?
仕事、趣味、ボランティア活動・・・
自分を呼び覚ます活動はいろいろある。
背骨の要素は一つではないけど、主人公はたった一つだけ。
そこが危ういんだなぁ。
- 推し、燃ゆ
- 河出書房新社
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