「なぜヒトだけが老いるのか」 死について考えたこと
人の寿命は本来55歳ぐらいなのだとか。
根拠の一つとして心臓は消耗品だから
大体それぐらいでガタがくる、
厳しい自然界を生き抜いたチンパンジーやゴリラも
50歳前後でパタっと死を迎えるらしい。
老いる間もなく死んでいく・・・。
「なぜヒトだけが老いるのか」
著者 :小林武彦
出版社:講談社現代新書
死ぬことが進化の原動力であり、
死ぬものだけが進化できたという著者の言葉に
分解=死、生命の循環を想像して
営みのシンプルさと複雑さにハッとしました。
人間の寿命が長くなったのは、
医学の進歩や環境整備の影響はもちろん、
「おばあちゃんの役割」が寿命を
延ばしたとの着眼点も面白かった。
子育ての協力や経験から得た知恵で
苦難を乗り切ることができた一族が繁栄し
長寿がメリットになることで
長寿遺伝子を持つ人が選択されるようになったとか。
これは一理ありますね^^
おばあちゃんの社会貢献が認められ
長寿に舵を切った人類⁉︎
人生の後半は今までの経験を活用し
社会貢献することが人類の使命なのかも。
子供時代、思春期、成人、老後・・・
その年代それぞれでやっておくといいこと、
何かをやるのにちょうどいいタイミングと
いうのはありそうですね。
生が利己的であるのに対して死は利他的、公共的
なんだとか。死ぬことが進化の原動力だから、
これからの新しい生命のために死んで、
新たな生を育んでを繰り返し続けて今の人類があり、
人類だけでなく、地球の生命全体のルールのように
はるか昔から続く営みに想いを馳せました。
生まれた時の記憶はないけど
臆病で心配性な私はおそらく不安でいっぱいだったはず。
ここがどこで、目の前の人達が誰かも知らず、
でも私のことはみんな知っていた。
不思議な世界に生まれて、生きて、
またどこか知らないところに向かっていくんだなぁ。
死んだらどうなるかなんてわからないけど
誰かの役に立ち、満足できた思い出があればいい
楽しく幸せな時間を過ごせた思い出があればいい。
悔いはあると思うけど、それ以上に
頑張ったなぁ〜自分って思えたらいい。
そう思えるように生きる時間はまだ残されていると
本を読みつつ思いました。
きっと死ぬ時は生まれた時と同じように
次はどうなるのかわからないまま
元いた場所に戻っていくのでしょう。
宇宙や生命、もののはじまり、根源の場所へ。
また目覚める時が来るかもと夢見て眠るのもいいですね。
ちょっと自分本位に空想が膨らみましたが、
老いと死を別目線で考えることができた本でした^^