団地日記

築50年越えの団地暮らし ✳︎✳︎✳︎のんびり老後の準備始めました✳︎✳︎✳︎ 

大人の課題図書⁉︎  「八月の六日間」読了

もう一度8月の6日間をやり直せるとしたら?
何をしようかな。


夏休みが楽しみな子供でした。
7月は「この夏、何をしようか」とワクワク。
8月に入ると「ああ、まだ何もしてないのに〜」
と焦り出し、お盆を過ぎると
「夏も終わりか・・・」とがっかり。
急ピッチで宿題を片付け始める。
そんな何も起こらない夏の繰り返し。
やり残したことがあるようで、ない⁉︎


やり残しではないけれど
夏休みの宿題で、夏の課題図書の中から
1冊読んで感想文を書くのが苦手でした。
毎年、夏の終わりまで手付かず。


リベンジいうわけでもないけれど
大人の夏の課題図書のつもりで
読んでみました。
タイトルと癒されカバーに心惹かれて。


「八月の六日間」 北村薫 角川文庫



40歳目前、雑誌の副編集長をしている主人公。
仕事はハード、私生活も不調気味。
そんな時、山歩きの魅力に出逢う。
山の美しさ、恐ろしさ、人との一期一会を経て、
また「日常」へと戻っていく。
山と「自分」との特別な数日間が
日常の困難と向き合う勇気をくれる・・・
というようなストーリー。


タイトルからイメージしたストーリーとは
かなり違いましたが、北村さんらしい
ふんわりとした中にも刺さるものがあり、
それが後からじわじわ沁みてくる。


主人公にとって登山が、
自分を切り替えるための特別な時間。
登るのは楽な山ではない。しかもソロ登山。
時には命の危険も感じつつ数日間、
自分と向き合い続けるなんて、まさに修行。


それは無理だけど、ソロキャン、一人旅でも
同じ効果あるかも。もっとお手軽になら
瞑想や私の場合は自分会議で、
心のモヤモヤが少しスッキリ、
前に向かって歩き始められます。


なんであれ、自分と向き合う時間は
その人の人生を考える大切なもの。


「五月の三日間」は団地引っ越しを決めた時の
私の心情によく似ていて共感でした。


主人公のピンチ場面。
誰もいない山の中で装備も不十分。
初めて訪れる場所、しかもひとりぼっちで
この状況を打開するため進まねばならないという時、
『寂しいと思い始めたら、すぐそれが怖いに
エスカレートして行くに決まっている。
「(山を)独り占めだっ」と思うことにした』


ふと顔を上げれば、遠くの青い山々と、
そのわずか上を横に行く一筋の白い雲、
そして広がる大きな空。こんな風景の中に、
ただ一人の人間であるわたし。
それが、頼りなくもまた愛しい。
しみ入るように思った。
思い通りの道をいけないことがあっても、
ああ、今がいい。わたしであることがいい』


この本は小学生の読書感想文には向きませんね。
40年ほど生きて、いろんな痛い経験をしてから
読んだら、味わい深いと思います。
50年生きてきたからこそ、
「わかる〜」と共感できたページは多かったので、
歳をとるのも悪くない⁉︎



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