団地日記

築50年越えの団地暮らし ✳︎✳︎✳︎のんびり老後の準備始めました✳︎✳︎✳︎ 

「102歳、一人暮らし」 学びと郷愁があふれて

哲代さんは101歳を迎えた時、
1歳の誕生日を迎えたことにして
まだまだいける、自分で限界を決めたら
いけないと思ったそう。
謙虚で強い人なんだなぁ。
昨日もブログで書いたけど、今日も続きます。


「102歳、一人暮らし」
著者:石井哲代・中国新聞社 出版:文藝春秋


いい本です。読むとほっこり。
元気をチャージできます。


今だけを見ていると恵まれた人のように
見えますが、苦労はたくさんあったはず。
その片鱗が言葉や行動に見え隠れします。
たまに自らポロリ、こぼしたりもします。
そんな姿に、これでいいんだと
自分を重ねて読みました。


「できなくなったことは追わずに、くよくよしない。
できることをいとおしんで、自分を褒めて、
まだまだやれると自信に変える」


できたことを喜び、何ごともいいように
受けとると気持ちが高揚するから。
できた→嬉しい→まだやれる→できる
プラスの循環がいいですね。


「嘆くことにエネルギーを使うと心も体も弱るばかり」
どうすりゃあ毎日自分を楽しませながら
上手に生きていけるか、それしかありません」

「同じ一生なら機嫌よう生きていかんと損じゃ」


だから
「先々の楽しみを用意して、きょうを元気に迎える」


哲代さんの私らしくいるための5カ条
1、自分を丸ごと好きになる
2、自分のテンポを守る(ボケっとしてる時間も大事)
3、ひとり時間も大切
4、口癖は「上等、上等」 
5、何げないことをいとおしむ


私の口癖は「まぁ、いいか」だけど、より前向きに
「いいね〜」「逆にいい」に変更しよう^^


「苦労することで見えたり感じたりすることって
あるでしょう・・・苦労のない人生はつまらんです」


七転八倒もしくは七転び八起きの私の人生、
最後にそう言えたらいいなぁ。
その日が来るまで潰れず、潰されず生き延びようと
暗中模索中の今、先輩の言葉は希望の光です^^


80年前に哲代さんの父親が作ってくれた椅子を
嫁入り時に持ってきて、今も大切にしている姿にも
ほっこり。他人が見れば捨てたら?と思うものでも
本人にはかけがえのない宝物。
私も家を出る時に祖母の漬物石を荷物に入れました。
今も使うたび、ありし日の姿を思い出しています。
人が見たら何これ?なんですけど^^



子沢山の時代に結婚して、子供を持てず悩み、
長年申し訳ないと思いながら生きてきた哲代さん。


子を授かることを願いつつ、そうできなかった
人生で、自分の存在意義やご先祖さまに
申し訳なく思う気持ちは私にもありますが、
哲代さんの時代は想像を超える苦しみがあった
と思います。自分が一番傷ついているのに、
自分を責めつづけてしまうものなんですよね。


「思い悩む暇をつくらんように、その日その日を
忙しく働くことばかり考えとりました」


忙しさで体はしんどいけれど、
どうにもならないことを考えて心がしんどいより
マシ。動いて動いて、そのうち時間がゆっくり
心を癒してくれるのかも。
忙しさと過ぎゆく時間は、時に優しいなと思います。
忙しく、日々充実しているように見える人の裏には、
案外こんな顔が隠れていることも。


今が大切、でも今が全てでもない
そう思って生きてきた私。
今が苦しいからといって、
この先ずっと苦しいとは限らないはず。
今できることを頑張るという思いは
少し似ている気がしました。


心の痛みは消えないけれど、哲代さんのように
「苦労のない人生はつまらんです」と
人生終盤で笑って言えたらいいなぁ。



エンディングノートは
残された人への気配りだと改めて思いました。
手を煩わせたくないという優しさ。


哲代さんは子供がいないからこそ、細かいことを
しっかり決めていました。
葬式は自宅で行うこと、香典返しの品や
最後に着せてもらう着物、
そして喪主のスピーチまでも!
「こうしておけば心配ナイチンゲール。心がスッキリ」
だとか。チャーミング過ぎる^^


本の中には農作業中の哲代さんの写真がたくさんあり、
それが私の祖母と重なり懐かしい。
私もよく祖母が畑で働いている姿を激写!
「何とっとんがね?」と笑っていた祖母。



祖母よりかなり年上なのに元気な哲代さんは
奇跡の人です。
健康で穏やかな日々が続きますよう願っています。




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