本と恋と団地ごはん
「それでも食べて生きてゆく 東京の台所」
著者:大平一枝 毎日新聞出版
面白かったです。
昨日ブログに感想をアップしましたが、
追加です。
紹介されていた台所はどれも魅力的。
中でも団地暮らしなので
「本と恋と団地ごはん」のタイトルが気になる。
しかも築50年越えの団地のお話^^
不定期に読書会&ご飯会を開いている方の
台所のお話です。本好き、料理好きだから、
こんな読書会があったら参加したいなと
ワクワクしながら読みました。
読書会で出会いがあり、
大切な人がみつかり、
大切な人と結婚し、新婚生活のさなか
大切な友を失い、
今は大切な友の大切な人を見守りつつ
暮らしていらっしゃる。
大切な友を失う後半から悲しくなり、
最後はああ、良かった。
こんな素敵なお話ってあるんですね^^
自分で料理ができない時でも
誰かに作ってもらった料理で、
生きる力をもらう人、復活する人、
世の中に増えるといいですね。
小学生の頃、自宅でお誕生会を開くのが
流行りました。私の家は自営業で忙しく、
母親もいないから、もちろん誕生会なんて
開けません。
それどころか誕生祝いも・・・忘れてる?
誰もが祝ってもらえるわけじゃないけど、
子供だったから寂しくて
「私はどうでもいい子、いらない子」と
近所の住職さんに呟いたことがありました。
その年の誕生日に近い日曜日、
お寺に遊びに行ったら
ケチャップで名前を書いた
特大オムライスを用意してくれていました。
いつもはおしゃべりな私が静かなので、
心配になったのか
「あまり作ったことないから美味しくないかな?」
「ごめんね、こんなのしか用意できなくて」
などと色々話しかけてくれていたけど
首を振って答えるのが精一杯。
とても嬉しくて、嬉し過ぎて、
声を出すと泣きそうだったから
涙をこらえ、ただただ無言で食べました。
ケチャップで書かれた名前が消えるのが
もったいなくて、ご飯をほじくるようにして^^
軽口ならいくらでも言えた当時の私、
なのにお礼はちゃんと伝えられなかった。
人を信じられなくなった時、
思い出すあのオムライス。
世の中、悪い人ばかりじゃないと思い出せる。
辛い時は栄養のあるものを
とにかく食べて、寝て・・・
味がしなくても、食欲がなくても
肉体にエネルギーをチャージしておけば
心もそのうち復活するはず、繋がっているから。
焦らずゆっくり、ほふくぜんしん^^
自分が気づかなかっただけで、
親にもご近所さんにも可愛がられ、
見守られて育ってきたのだと
あとで気づいたり、教えられたり。
私の周りにも温かい人達がいました。
辛いこと、大変なことも多いけど、
ここまで生き延びてきたからこそ
わかることもあり、50代突入も悪くない。
人生後半戦で自問自答
「ところで恩は返せたのかい?」
これがなかなか・・・
恩返しと言うは易し、行うは難しいものですね。
日々、人間ができておりませぬと言い訳です。